日本の新車販売に占める電動車の割合は2019年で約40%。菅総理は今年1月、2035年までに新車の乗用車を全て電動車にする方針を表明しました。もっとも日本の場合、電動車の中にガソリンとモーターの両方を積んだハイブリッドカー(HV)が含まれての話であることも注意が必要です。
ガソリンも使用するHVが電動車のカテゴリーに入るか否かは見解が分かれますが、世界最大の自動車メーカーである日本のトヨタが、EVよりもHVに力を入れていることも日本が電動車にHVを含める理由の一つかもしれませんね。
一方、ヨーロッパ各国はガソリンエンジンを搭載する新車の販売自体を禁止する動きが主流ですね。下表で示すように主要なヨーロッパ各国ではHVを含むガソリン使用車の販売を禁止する決定を下しています。
| ノルウェー | 2025年 | 新車を全てEVやFCVとする |
| 中国 | 2025年 | 新車販売に占めるEVなどの割合は20%前後とする |
| ドイツ | 2030年 | ガソリンエンジンのみの新車販売を禁止 |
| オランダ | 2030年 | 新車の全てをEVとFCVとする |
| 日本 | 2035年 | 新車販売を電動車(HV含む)とする |
| イギリス | 2035年 | ガソリンエンジン車(HV含む)の販売禁止 |
| 米国カルフォルニア | 2035年 | ガソリンエンジン車(HV含む)の販売禁止 |
| フランス | 2040年 | ガソリンエンジンのみの新車販売を禁止 |
中国の電気自動車に対する動きも注目すべきですね。
年間の新車販売台数が2500万台を超える世界最大の自動車市場である中国が、2020年11月に発表した「新エネルギー車産業発展計画」で、EVを中心とする新エネルギー車の新車販売台数を2025年に25%前後としていた目標を、20%前後に引き下げました。
ヨーロッパ各国のようなガソリン車の販売禁止にも踏み込みませんでした。エネルギー供給の60%を石炭火力発電に頼っている中国が現実路線に舵を切ったと受け止められていますね。
バイデン政権の元で脱炭素政策を進める米国でも、電動車の普及に向けたハードルは決して低くはないです。現状新車登録台数に占めるEVの割合は2%前後で、広大な国土を抱え長距離走行が多い米国ではガソリン車の需要が根強いのです。
このように今後の電動車を巡る動きは複雑を極めていると言えますね。しかし、革新的な新技術が実用化されるには多くのハードルを超えなければならないのは周知のことで、例えばライト兄弟の初飛行での飛行距離はわずか36mだったし、日本初の電気自動車の走行距離は65kmでした。その後の技術の進歩を見れば、「需要は無限の困難を乗り越える」ことを歴史が証明していると言えますよね。