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中国vs日本の熾烈な戦い

「上海モーターショー・ショック」をご存じでしょうか?先に弊コラムでも指摘致しました通り、今回の上海モータショーでは中国のEVメーカーの開発速度の速さ、オーナー向けの付加価値の高いソフトウエアの普及などソフトウエア・ディファインド・ビークル(SDV)の予想以上の加速など、日本のEV開発の遅れが顕在化しました。追い付くためにはSDVを前提とした電子プラットフォーム「アリーン」の早期開発、さらにそのプラットフォームに付加されるサードパーティを含めたソフトウエア、アプリの開発も喫緊の課題としてフォーカスされましたね。

この危機的状況とも言える現状打開に向けて、トヨタはEV開発の専任組織として新たな車両カンパニーとして「BEVファクトリー」を新設すると発表しました。実は、2021年12月に当時の豊田章男社長は、2030年までにEVを30車種投入し、目標販売台数を350万台へと引き上げると発表し、EVの量産、ラインアップ拡大の方向に舵を切ったかに見えたのですが、実際にはその開発体制、生産体制はほとんど整えられていなかったということのようです。現にトヨタ・スバルで共同開発したbZ4X/ソルテラは既存の技術を流用するなどの理由で、ピュアなEVプラットフォームとはならず、生産体制もMIRAIと共通の小規模生産ラインで行なわれています。またEVとしての性能も平凡といわざるを得ない程度しか追い込めていません。

かつて日産はゴーン社長の元、日本人ではやれなかったであろう狭山工場閉鎖などの大手術を行い、兎も角も業績を回復させましたが、トヨタは「乾いた雑巾でも絞る」とまで言わしめたトヨタ生産方式に代表される生産方式で世界の冠たる自動車メーカになりました。しかしEVのように部品点数が少ない自動車の生産を今後主力にすると、かつて損得勘定抜きに協力してきた部品メーカの中には経営に行き詰まる中小メーカもあると考えられ、厳しい現実を突きつけることが出来るのかが、トヨタの将来すら左右しかねない、そんな岐路にトヨタのみならず日本車メーカは立っていると思えてならないのです。両者を共存させる構造改革がいま求まられていますね。

BYD最新スポーツタイプEV
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